◆仕事人T氏の無謀な挑戦 その2
しかし、あろうことか期日に建築確認がおりない、というアクシデントが発生。
建築確認がおりないということは、広告活動ができないということ。
販売スケジュールが狂ってしまう。
折込チラシを配布するために、絶対に死守しなくてはならないデッドライン。まさに瀬戸際。
「(建築確認を)何が何でもおろさせる」と、気張るT氏。
期日当日は役所の担当者を時間ぎりぎりまで説得。
そして翌朝7時半頃、役所に出陣。無事建築確認がおりたのだった。そして、ホームページや看板などの媒体も一挙にスタート。
急遽行うことになったダイレクトメールや宅配チラシは、本部の社員も巻き込んで、全員が一丸となって準備した。
オープンの週末は、かわいらしい折込チラシとはうってかわって、脂っこいおっさ・・・もとい、ベテラン集団が待機。
さっそく一件の買付が入った。
賑わう本部。
「これは、売れるぞ!」。
メンバーのモチベーションはさらに高まった。
「この物件コンセプトに共感してくれる人はこのエリアに必ず5人はいる。そのターゲットに物件を認知してもらい、きちんとこちらの思いを伝えれば、確実に売れる」。
これはS部長の言葉。
この戦略のもと、狭域にしぼったコンスタントな宅配と、近隣のスーパーや飲み屋、駅ポスターなどの掲示物といった焦点を絞った告知活動をおこなっていった。
「絶対年内完売するから!」自信は満々だった。
その言葉通り、それぞれの案件を詰め、しっかりと完売に導いてくれたのだった。
販売開始から約1ヶ月。「某プロジェクト」は見事にスピード完売を達成することができた。
そして、外部業者は・・・というと、「あれは、売れますよ!」と口にする。(「売れるはずがない」とか言ってたのに!)
ハタから見れば、「まさか」「無理でしょう」と思われることに、あえて挑み、やってのける。
それが我々の強みであり、誇りなのだと改めて感じた。
⇒◆自由人T氏のありえない決断 に続く